こんにちは、たけうちです。
はじめましての方は、こちらの記事もご覧ください。
優しいねと評されることが多く、自分の長所は優しさだと思っている。
相手を気遣うことが得意で、その分いつも気疲れしてしまう。
こういった人もいるのではないでしょうか。
優しいと言われるとなんだか嬉しいですし、自分に良いイメージが持てますよね。
ですが、少し考えてほしいのです。
あなたの優しさは、本当に優しさなのかと。
もしかしたらそれは優しさではなく、自己愛なのかもしれません。
今回の記事では、優しさの本質についてお話ししていきます。
優しさとは愛である
優しさとはなんでしょう。
少し検索してみると「他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである」と書かれています。
確かに僕たちが使う優しさとは、こう言った意味合いで使うことが多いでしょう。
さて、この「他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである」というのは、愛と同じ性質です。
愛もまた相手に対する思いやりのことを指しているということを踏まえると、愛の表現方法の1つとして、優しさというものが現れるのではないでしょうか。
このことから、愛ある人間こそが優しい人間であるという認識ができるはずです。
自己愛的な優しさ
前回の記事で、愛は向いている方向によって属性が変わり、相手に向いていたら愛、自分に向いていたら自己愛であるというお話しをさせていただきました。
優しさが愛なのであれば、優しさにもまた、愛的な優しさと自己愛的な優しさがあるはずです。
僕たちは自分の優しさがどちらの愛から来ている優しさなのかを考えることで、自分が本当に優しい人間なのかを知ることができるのです。
さて、みなさんは優しい行動というものを思い浮かべて何が出てきますか?
相手が困っていたら助けてあげる。
相手に何かプレゼントをあげる。
相手を否定せずに受け入れる。
今パッと考えただけでもこれだけ出てきますが、優しいと言われる行動は挙げれば枚挙にいとまがないでしょう。
愛的か自己愛的かどうかは、その動機によって決まります。
あなたがどうしてその行動をとっているのかが非常に大切なのです。
先程の例で考えてみましょう。
相手が困っていたら助けるのはなぜでしょう。
愛的な優しさで行動するのは、相手が困難から脱することが自分にとっての喜びであり、相手にとっても喜びであろうと思うからです。
ですが、自己愛的な優しさで行動するのは、助けたことによって自分の好感度が上がることを期待したり、困っているところを見捨てたら嫌われるかもしれないと恐れているからです。
行動は同じでも、根本を見ると全く違う動機であることが分かります。
相手にプレゼントをあげるのも、相手の喜ぶ姿が自分の喜びでもあり相手の喜びでもあるからプレゼントをするのが愛的な優しさです。
自己愛的な優しさでは、相手に好かれることを目的とした動機になることが多いでしょう。
相手を否定せずに受け入れるのも、この人にはこの人の価値観があるんだと認め受け入れている愛的な優しさと、おかしいと思うけど相手から嫌われるのが怖くて言い出せないという自己愛的な優しさに分かれます。
どの例を見ても、愛のベクトルが相手に向くか自分に向くかで、表面上の行動は同じでも動機が大きく変わってくるのです。
自己愛的な優しさになる理由
どうして自己愛的な優しさになるのでしょう。
それは、好かれたい、認められたい、受け入れられたいといった、欠乏感が根底にあるからです。
小さい頃にあなたは愛されなかった。
あなたは認められなかった。
あなたはありのままを受け入れてもらえなかった。
だから今になって、親からではなく、他の人間からそれを得ようとしてしまっているのです。
無意識的に愛や承認に飢えていると、相手から嫌われたり否定されることを恐れます。
また、相手からの好意がないと安心できないので、良い自分を演じて好感を得ようとします。
愛に溢れた人間が好まれるということを僕たちは知っているので、そこであなたは優しい人間を演じ始めるのです。
ですが、あなたは自分のことばかり考えている。
相手を思いやっていないため、本質的に相手が求めているものが分かりません。
だから微妙に与えるものがズレてしまうのです。
保守的な行動をとってしまったり、相手が求めてもいない物を与えるようになってしまったりといった具合にです。
本当の優しさではないから、優しいだけの人間になってしまい、いつまでも人から好かれないのです。
あなたは優しくはない
僕たちは受け入れなければいけません。
自分が優しいのではなく、ただ自己愛的に好かれようとして優しくしていただけなのだと。
この事実を認めない限り、あなたが本当の優しさを手にする日はきません。
アダルトチルドレンなどの幼少期に傷を負ったまま育ってきた人たちは、大体優しいです。
それは、自己愛的な優しさで自分が傷つかないように自分を守っているからです。
幼い頃にもらえなかった愛をもらうために、今必死になって好かれようとしているからです。
ですが、あなたの放つ優しさは、常にあなたに向いています。
あなたのための優しさです。
だから伝わらないのです。
だから良い人止まりだし、優しいだけの人間になってしまうのです。
だから都合のいいように扱われてしまうのです。
まずは認めましょう。
あなたは愛に欠乏していて、自分のことばかり考えているのだと。
この自己理解が新たなスタートのきっかけとなるのです。
まとめ
優しさとは愛であり、愛的な優しさと自己愛的な優しさがあります。
自己愛的な優しさは相手のことを考えていないので、相手が求めているものを与えることが出来ません。
なので僕たちは、自己愛的な優しさから愛的な優しさに変えていく必要があります。
そのためにはまず自分が自己愛的であることを認めることです。
自分がいかに自分のことばかり考えて行動していたのかを、その事実を直視するのです。
そして、自分はこう思われたい、こうされたいという動機を捨て、相手に与えることにシフトすることです。
相手が喜ぶこと、相手が幸せに感じることを想像して、それを与えることです。
それが本質的な愛であり、本質的な優しさなのです。
はりぼての優しさを持つ自分からは卒業して、真の優しさを与える自分になりましょう。
それが結果的にあなたが幸せになるための土台となると思います。