
「嫌われるのが怖い」「誰からも好かれたい」
そんな思いを抱いたことはありませんか?
こんなことを言っている僕自身もかつてはそうでした。
人間関係のなかで波風を立てないように、相手に合わせて振る舞う。
嫌われないようにと必死に立ち回る。
しかし、その結果どうなるかといえば、自分らしさを失い、どこか空虚な気持ちに陥ってしまうのです。
今回は「嫌われるくらいがちょうどいい」というテーマで、人間関係を楽に、そして本質的に大切な人を見つける視点についてお話しします。
具体例として、魚釣りの「餌」を使ったたとえからスタートしてみましょう。
魚釣りと人間関係の共通点
魚釣りでは、万能の餌というものは存在しません。
ある魚にとって魅力的な餌も、別の魚にとっては見向きもされない。エサの種類によって釣れる魚は変わります。
これを人間関係に置き換えてみるとどうでしょう。
僕という人間を「餌」にたとえれば、ある人には好まれ、別の人には合わない。
それは自然なことです。
すべての魚が同じ餌に食いつくわけではないように、すべての人が僕を好きになるわけではありません。
むしろ、全員から好かれようとすると、自分を偽った餌をつけることになります。
自分の味を隠し、誰にでも食べられるような bland(無味無臭)の餌になってしまうのです。
すると、確かに嫌われはしないかもしれませんが、逆に「本当に自分に合う魚」は見つけられなくなります。
だからこそ、嫌われるという出来事は「この餌はその人には合わなかった」というだけのこと。
むしろそれによって、本当に僕を好んでくれる人が見えてくるのです。
嫌われることを恐れていた僕の経験
僕も以前は、嫌われることが何より怖いと感じていました。
友人関係でも、職場でも、つねに「相手にどう思われるか」を基準に行動していたのです。
自分の意見を言わずに同調したり、無理に笑顔をつくったり、断りたいことを断れなかったり。
その結果、確かに表面的には人間関係はうまくいっているように見えました。
でも心の奥では「誰も本当の僕を知らない」という孤独感が膨らんでいったのです。
好かれるために偽った自分は、結局誰にも愛されていないような気がして苦しくなりました。
ある時、思い切って自分の意見を正直に伝えたことがありました。
当然、全員が賛成してくれるわけではなく、中には僕の意見を嫌う人もいました。
でもその一方で、「そういう考え方いいね」と共感してくれる人も現れたのです。
その瞬間、僕は気づきました。
嫌われることを避けていたら、本当に大切にすべき人にも出会えないのだと。
嫌われることで見えてくるもの
嫌われることには、次のようなメリットがあります。
1. 自分に合わない人間関係が自然と整理される
嫌われることは、人間関係の「選別」です。
相手が自分を嫌うということは、そもそも根本的な価値観やスタイルが合わなかったということ。
その関係を無理に維持しても、どちらにとってもストレスになるだけです。
嫌われることで、その不自然なつながりが自然と解消されます。
2. 本当に大切な人が浮き彫りになる
自分の本音を出してもなおそばにいてくれる人こそ、本当に大切にすべき人です。
迎合して好かれた関係は脆いものですが、嫌われるリスクを取っても残ってくれる人とのつながりは強固です。
嫌われることで、その大切な存在が浮き彫りになります。
3. 自分らしさを取り戻せる
嫌われることを恐れて迎合してばかりいると、自分の個性が薄れてしまいます。
でも、嫌われてもいいと腹をくくれば、自然体でいられる。
自分らしく生きられるようになれば、心の負担も軽くなり、毎日がずっと楽になります。
「嫌われる勇気」と「自己承認」
心理学でも「嫌われる勇気」という言葉が有名ですが、これはまさに自己承認と関係しています。
他人にどう思われるかではなく、自分が自分をどう受け止めるかが大切なのです。
「僕は僕のままでいい」と思えるようになれば、嫌われることは怖くなくなります。
むしろ、嫌われたときに「よし、自分を偽っていない証拠だ」と静かにガッツポーズをしてもいいのです。
それは他者に迎合せず、自分を大事にできている証拠だからです。
嫌われることを受け入れる実践法
では、具体的にどうすれば嫌われることを受け入れられるようになるのでしょうか。
僕が実際に効果を感じた方法をいくつか紹介します。
1. 小さな自己主張から始める
いきなり大きなことを主張すると反発も強くなります。
まずは「今日は疲れているから飲みに行かない」など、小さな自己主張から練習してみましょう。
自分の気持ちを大事にする小さな一歩が積み重なって、自信につながります。
2. 嫌われてもいい人を決めてみる
「この人に嫌われてもかまわない」と思える人を心の中で決めてみると、少し気が楽になります。
すべての人に好かれる必要はない、と実感できるからです。
3. 自分を好んでくれる人を意識する
嫌われることばかりに意識が向くと不安が大きくなります。
そこで、これまで自分を大事にしてくれた人や、共感してくれた人に意識を向けるようにしましょう。
そうすれば、「嫌われても大丈夫」という安心感が増していきます。
嫌われることは成長のサイン
嫌われるというのは、単なるマイナスの出来事ではありません。
それは成長のサインです。
自分らしく生きているからこそ、合わない人が現れる。
そしてそのフィルターを通じて、本当に大切にすべき人が見えてくるのです。
人間関係は数ではなく質です。
百人に好かれるよりも、一人に深く理解され、愛される方が心は満たされます。
嫌われることを恐れるのは自然な感情ですが、その先にこそ、本当に安心できる関係性が待っているのです。
まとめ
魚釣りで餌を選ぶように、人間関係でも「合う」「合わない」が必ずあります。
すべての人に好かれようとする必要はありません。
むしろ嫌われるくらいがちょうどいいのです。
嫌われることで、あなたを本当に大事にしてくれる人が見えてきます。
だから、誰かに嫌われたと感じたときは、落ち込む必要はありません。
心の中でそっとガッツポーズをしてください。
それは、あなたがあなたらしく生きられている証拠なのですから。
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