悪く思われることで安心する心理――本音を隠す防衛反応とその抜け道

みなさんは、なぜか「自分は悪く思われていたい」と思う瞬間がありませんか?

僕自身も、仲良くなった人や好きな人に対して、わざとチャラく振る舞ったり、軽口を叩いたりすることがあります。

もちろん本音では、誰よりも相手や愛について真剣に考えているのですが、それをそのまま出すと「重い」と思われるかもしれない、あるいは「馬鹿にされるかもしれない」という恐怖があるんです。

こうした行動は、一見自分の性格が悪いから起きているようにも見えますが、実際には「悪く思われることで安心する心理」が働いている結果です。

今日はこの心理の正体と、その影響、そして抜け出す方法についてお話しします。

 

 

 

なぜ「悪く思われると安心する」のか

人は本音を出すことに恐怖を感じる生き物です。

  • 「本音を言ったらバカにされるかもしれない」

  • 「真剣に考えていることを話すと重いと思われるかもしれない」

  • 「期待に応えられなかったら嫌われるかもしれない」

こうした恐怖があると、人は無意識のうちに防衛行動を取ります。

そのひとつが、「わざと悪く見せる」ことです。

 

例えば、チャラく振る舞ったり、他人を軽く貶したり、少し性格が悪いように見える発言をすることがあります。

これは一種の心理的セルフハンディキャッピングです。

「最初から悪く見られておけば、裏切られたときも傷つかない」という心理ですね。

つまり、悪く思われることは、自分を守るための安全装置なのです。

この心理はどこから来るのか

では、なぜ人は「悪く思われることで安心する」という心理を持つのでしょうか。

大きく分けると、以下のような理由があります。

幼少期の経験

子どもの頃に「褒められるよりも叱られる経験が多かった」「期待に応えられないと否定される」と感じた経験があると、大人になっても「本音を出す=危険」と学習してしまいます。

結果として、「悪く思われるくらいなら最初からラクな態度で済ませておこう」と無意識に考えるようになるのです。

綺麗事や本音がバカにされる学習

社会や友人関係で、真面目な話や綺麗事を話すと、「お前なに言ってんの?」と軽く見られたり、笑われたりした経験はありませんか?

こうした経験は「本音を出すことは危険」という学習を強化します。

そのため、大切にしている価値観ほど隠してしまい、チャラい演出や悪態で自分を守る行動につながります。

自己防衛と安心感

「悪く思われてもいい」と思う瞬間には、安心感が生まれます。

本音を出すと拒絶されるかもしれないという不安を、あえてチャラい演出で覆い隠すことで、自分を守っているわけです。

この安心感は、防衛としては有効ですが、長期的には自己否定や誤解を生む原因になります。

「悪く思われる心理」がもたらすメリットとデメリット

メリット

  • 傷つかない

  • 他人からの期待に縛られない

  • 自由に振る舞える

デメリット

  • 本当の魅力や誠実さが伝わらない

  • 人間関係が表面的になりやすい

  • カウンセリングやビジネスなど、人に影響を与える活動で信頼が得にくい

僕自身も、仲良くなった人ほどチャラく振る舞ってしまう癖がありました。

結果として「軽い人」と誤解されることがあり、好きな人やクライアントに本当の価値を伝えられないこともありました。

抜け出すためのステップ

この心理から抜け出すためには、段階的に本音を出す訓練をしていくことが有効です。

1. 自分の防衛反応であると認識する

まずは、「悪く思われることで安心する」という行動は防衛反応であって、自己否定ではないと認識します。

これだけで、自己嫌悪や罪悪感が減り、心の余白が生まれます。

2. 小さな本音を出してみる

信頼できる人にだけ、自分の考えや感情を少しずつ出す練習をします。

  • 「実はこう思っているんだ」

  • 「正直言うと、ちょっと怖いんだ」

こうした小さな本音を出すことが、心理的安全を広げる第一歩です。

3. 悪く思われることへの恐怖を再評価する

悪く思われることは必ずしもネガティブではありません。

  • 「悪く思われたとしても、僕の価値は変わらない」

  • 「本音を出せる自分を信頼してくれる人もいる」

この再評価ができると、無理にチャラく振る舞う必要がなくなります。

4. 信頼できる場を増やす

本音を出しても安全な場を増やすことは、自己防衛の依存から脱却する近道です。

  • カウンセリングやブログで自分の価値観を発信する

  • 仲間や友人との会話で誠実さを出す

こうすることで、自然と「悪く思われても安心」という心理に頼らなくなります。

 

 

 

まとめ

「悪く思われることで安心する心理」は、多くの人が無自覚に持つ防衛反応です。

本音を出すことが怖く、チャラい演出や悪態で自分を守ることで安心感を得ています。

しかし長期的には、自己否定や誤解、信頼関係の停滞につながることがあります。

 

大切なのは、まず防衛反応であることを理解することです。

そして少しずつ本音を出す練習をし、「悪く思われるよりも、ありのままを受け入れられる方が安心だ」と身体で学んでいくことが、成熟した人間関係や自分の価値を発揮する活動につながります。

 

僕自身もまだ試行錯誤中ですが、このプロセスを通じて、少しずつチャラい演出や自己否定を手放せるようになってきました。

もし同じように悩む方がいれば、ぜひ少しずつ本音を出す練習をしてみてください。

 

あなたの本音は、隠さなくても大丈夫です。

それを出すことで、初めて本当の安心と信頼が手に入るのです。

 

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