
「ありがとう」や「ごめんね」をつい言いすぎてしまう。
そんな自分に悩んでいませんか。
僕自身も、心の奥でなぜか人に謝ったり感謝を伝えすぎてしまうことがあります。
単なる礼儀や習慣以上に、心が勝手に動いてしまうのです。
その背後には、深い心理的な構造があります。
特にアダルトチルドレン(AC)の方や、幼少期に無条件の愛情や承認を受けられなかった方に顕著なのです。
今回は、なぜ「ありがとう」や「ごめんね」が言いすぎてしまうのか、その原因と心理、そして少しずつ過剰さを手放す方法を解説します。
- 過剰に言う心理の正体は「自分の存在は迷惑」という思い
- 「ありがとう」は恩返しの行為に変わる
- 「ごめんね」は孤独回避のサイン
- 過剰な「ありがとう」「ごめんね」が示す心のサイン
- 過剰さを和らげるための心のステップ
- まとめ
過剰に言う心理の正体は「自分の存在は迷惑」という思い
「ありがとう」や「ごめんね」を必要以上に口にしてしまう人は、無意識に自分の存在を迷惑だと思っていることが多いです。
たとえば、友達に何か頼んだときに、すぐに「ありがとう」と何度も言ってしまう。
または、少しでも相手に迷惑をかけたかもしれない場面で、何度も「ごめんね」と謝ってしまう。
これらの行動の背景には、「自分が存在するだけで相手に負担をかけている」という思い込みがあります。
この心理は、幼少期に無条件の承認や愛情を受けられなかった経験と深く関係しています。
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親や周囲からの承認が条件付きだった
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小さな失敗で叱られたり、無視された経験がある
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自分の存在が許されていないように感じた
こうした体験は、心の奥に「自分は迷惑な存在である」という前提を刻みます。
その結果、大人になっても無意識に「相手にすがって存在価値を確認しようとする言動」として表れます。
「ありがとう」は恩返しの行為に変わる
感謝の言葉は本来、純粋に相手への気持ちを伝えるものです。
しかし、過剰になると自分の存在を認めてもらうための行為に変わります。
たとえば、友達が手伝ってくれたとき、普通なら「ありがとう」と一度伝えるだけで十分です。
しかし、過剰な場合は次のような思考が働きます。
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「こんなにしてもらったから、もっと感謝しなきゃ」
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「これくらい言わないと、私の価値はないと思われるかもしれない」
ここで重要なのは、言葉の量が相手の行為に依存していること。
感謝は本来、相手に強要されず、自分の心から自然に生まれるものです。
ですが、無条件に承認されなかった過去がある人は、感謝を伝えることで相手からの承認を引き出そうとする心理に変わってしまいます。
「ごめんね」は孤独回避のサイン
謝罪の言葉も同様です。
何度も「ごめんね」と言ってしまう場合、単なる礼儀やマナー以上の意味があり、その背景には、孤独を避けたいという気持ちがあります。
たとえば、ちょっとしたことで誰かに迷惑をかけたと思ったとき、すぐに謝るのは自然なことです。
しかし、過剰に謝ってしまう場合は次の心理が働きます。
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「相手が怒ったら嫌われるかもしれない」
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「私がいることで相手が不快なら消えたい」
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「自分の存在を許してもらわないと安心できない」
つまり、謝罪は自分の存在を相手に保証してもらう行為になってしまっています。
これもまた、幼少期の経験に根差しており、無条件に受け入れられなかった過去が、今の孤独回避欲求として現れるのです。
過剰な「ありがとう」「ごめんね」が示す心のサイン
過剰な感謝や謝罪は、決して単なる性格の問題ではありません。
むしろ、心の中の不足感や自己否定感の表れです。
以下のようなサインとして現れます。
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自分の存在を常に他人の評価で測っている
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誰かの期待に応えないと不安になる
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自分の意見や感情を押し殺してでも相手に合わせる
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何かしてもらったとき、心の底では「申し訳ない」と思ってしまう
これらは、アダルトチルドレンに特有の「条件付きの愛」を受けて育った心の癖です。
無意識に他人に依存して安心を得ようとするため、感謝や謝罪が過剰に出てしまうのです。
過剰さを和らげるための心のステップ
では、どうすれば過剰な「ありがとう」「ごめんね」を手放すことができるのでしょうか。
大切なのは、他者依存の安心感から自己承認の安心感へシフトすることです。
1. 自分の存在を肯定する
まずは、心の奥にある「自分は迷惑な存在」という前提に気づきます。
そして、意識的に「私は存在していい」と自分に言い聞かせます。
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鏡の前で「私は存在していい」とつぶやく
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日記に「今日も自分を認めたこと」を書き出す
小さな承認体験の積み重ねが、過剰な言葉を手放す土台になります。
2. 感謝や謝罪の量を意識する
感謝や謝罪を言うとき、「本当に必要か」を心の中で確認します。
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「このありがとうは相手に依存していないか?」
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「このごめんねは心からの謝罪か、それとも孤独回避か?」
必要以上の言葉を使わず、シンプルに伝えることで、言葉の重みが本来の意味を取り戻します。
3. 孤独を怖がらない
孤独を感じること自体は自然な感情です。
過剰な謝罪や感謝は、孤独を恐れる心理の表れでもあります。
孤独そのものを受け入れ、自分の存在を他者に依存せず肯定する練習を重ねることが大切です。
まとめ
「ありがとう」「ごめんね」を過剰に言う人は、表面的には礼儀正しい印象を与えますが、その裏には自己否定感や孤独回避の心理が隠れています。
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幼少期に無条件の承認を受けられなかった
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自分の存在は迷惑だと感じている
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他者に依存して安心感を得ようとしている
こうした背景を理解することが、過剰な言葉を手放す第一歩です。
そして、自分の存在を肯定し、孤独を恐れずに生きることができるようになれば、感謝も謝罪も自然で心から出るものに変わっていきます。
僕自身も、過去の経験から何度も「ありがとう」「ごめんね」に駆られてきました。
しかし、自分の心の癖を理解し、少しずつ自己承認の力を育てることで、過剰さは緩まったのです。
読者のあなたも、自分の心を丁寧に観察することで、過剰な言葉の連鎖から解放されるはずですよ。
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