
人に頼られると嬉しい。
でも、同時に疲れてしまう。
そんな経験はありませんか。
僕自身、アダルトチルドレンとして育った影響で、他人から必要とされることで存在価値を感じつつも、心と体が消耗してしまうことが多々ありました。
今回は、その心理構造と、疲弊せずに頼られる喜びを味わう方法についてお話しします。
- 頼られることで感じる存在価値
- 頼られることが疲弊につながる理由
- 欠乏感を満たすための行動と、喜びからくる行動の違い
- 具体例で理解する心理の違い
- アダルトチルドレンが陥りやすい心理パターン
- 疲弊せずに頼られる喜びを感じる方法
- まとめ
頼られることで感じる存在価値
「自分は必要とされている」と感じる瞬間、誰もが少なからず喜びを覚えるものです。
人から頼られることで、自分が役に立っていることを実感し、存在価値を確認できるからです。
例えば職場で同僚に相談されたとき、あなたはその相談に乗ることで「自分は頼りにされている」と感じるかもしれません。
また、友人が困っているときに手を差し伸べることで、感謝され、自分が社会的に認められている感覚を持つこともあります。
特にアダルトチルドレンとして育った人にとって、この「頼られることで存在価値を感じる」という感覚は強くなりやすい傾向があります。
なぜなら、子どものころに家庭で十分な承認を受けられなかった経験があると、他人からの評価や期待に価値を見出しやすくなるからです。
頼られることが疲弊につながる理由
しかし、この「頼られることで価値を感じる」という感覚には落とし穴があります。
それは、頼られることが続くと心身が疲弊してしまう点です。
僕の場合、友人や職場の人に「助けてほしい」と頼られると、一度は喜んで応じます。
しかし、立て続けに頼られると、次第に体力や精神力が削られていくのを感じます。
「もっと自分を休ませたい」と思う一方で、「頼られる自分は価値がある」と無意識に思ってしまい、断れずに頑張り続けてしまうのです。
心理的には、ここに二つの動機が絡んでいます。
1つ目は「他者からの承認で自分の欠乏感を満たす」という動機。
2つ目は「純粋に相手を助けたい」という動機です。
疲弊が起きるのは、ほとんどの場合1つ目の動機に基づく行動です。
「人に頼られることで自分は価値がある」と無理に感じようとして、心も体も消耗してしまうのです。
欠乏感を満たすための行動と、喜びからくる行動の違い
ここで重要なのは、「欠乏感を埋めるために助けるのか」「喜びから助けるのか」を自分で意識することです。
欠乏感を満たすために頼られると、行動の原動力は「自分の価値を確認したい」という欲求になります。
この場合、どれだけ助けても心は満たされず、疲れだけが残ります。
一方、相手を助けること自体に喜びを感じられると、行動が心のエネルギーになるのです。
たとえば友人が困っているとき、「自分の手でこの人の状況を少しでも良くできる」と思える瞬間は、疲労感よりも達成感や充実感が勝ります。
この状態では、頼られること自体が喜びであり、存在価値を確認するための手段ではなくなります。
具体例で理解する心理の違い
例1:欠乏感から助ける場合
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職場で同僚に業務の相談をされる
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「自分は頼られなければ価値がない」と思い、断れずに対応
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疲れているのに引き受け、帰宅後もストレスが残る
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「もっと頼られなければ」と無意識にプレッシャーを感じる
この場合、助ける行動は自己承認の代替手段になっており、心身に負担がかかります。
例2:喜びから助ける場合
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友人が困っているとき、自分のスキルで役立てることを素直に楽しむ
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助ける行動自体が達成感や喜びにつながる
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相手の感謝や笑顔が嬉しいが、それが自分の価値を確認する手段ではない
-
帰宅後も疲弊感は少なく、心が満たされる
この違いは、「行動の動機」が自分中心か相手中心かによるものです。
アダルトチルドレンが陥りやすい心理パターン
アダルトチルドレンは、幼少期に家庭で十分な承認を得られなかった経験が多いため、以下のパターンに陥りやすいです。
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価値確認型の依存
他人から頼られることで「自分は価値がある」と確認しようとする。 -
断れない性格
頼まれると断れず、心身の限界を無視してしまう。 -
疲弊の悪循環
頼られる → 無理して応じる → 疲れる → さらに価値を証明したくなる
この悪循環を断ち切るためには、自己承認の回路を作ることと、助ける動機を喜び中心に変えることが大切です。
疲弊せずに頼られる喜びを感じる方法
ここからは、僕が実践して効果を感じた方法を紹介します。
1. 動機を意識的に切り替える
頼られたときに「今、この行動は自分の価値を確認するためではなく、相手を助ける喜びのためだ」と意識するだけでも、心の負担が軽くなります。
2. 境界線を設定する
どこまで手を貸すか、自分の限界や余裕を基準に決めます。
「助けたいけれど無理はしない」という選択肢を自分に与えることが重要です。
3. 内面の承認を育てる
自分が存在価値を感じるのを、他人の評価に頼らないように練習します。
-
日記に「今日、よくやれた自分」を書く
-
小さな成功体験を自分で認める
こうすることで、頼られる喜びを外部承認に依存せず味わえるようになります。
4. 喜びを具体的に感じる
助けた結果、相手の表情や言葉、状況の変化に目を向けます。
「ありがとう」や笑顔だけでなく、「少しでも役に立てた」という事実自体に喜びを見出す練習です。
まとめ
人に頼られることは嬉しいけれど、疲れることもある。
これは、多くのアダルトチルドレンが抱える共通の悩みです。
重要なのは、頼られることで自分の価値を確認するのではなく、相手を助けることに喜びを感じる状態を作ること。
そのためには、
-
自分の動機を意識的に確認する
-
境界線を設定する
-
内面から自己承認を育てる
-
喜びを具体的に体感する
というステップを踏むことで、頼られる喜びを疲弊せずに味わえるようになります。
もし、あなたが「人に頼られると嬉しいけれど疲れる」と感じているなら、まずは自分の動機を観察してみてください。
欠乏感を満たすためなのか、相手を助ける喜びからなのか。それを切り替えるだけで、頼られることは喜びであり、心を満たす経験になります。
頼られる喜びを楽しみながら、自分を消耗させずに生きることは可能です。
僕自身も少しずつ練習を重ねて、心地よく「必要とされる自分」を感じられるようになりました。
あなたも、自分の心の声を尊重しながら、頼られる喜びを疲弊せずに受け取る方法を試してみてください。
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