
僕はふと、自分自身にこう問いかけることがあります。
「楽しい」と感じることが、最近、少なくなったのではないか、と。
多くの人は、日常の中で楽しいことに触れています。
友人と笑い合う時間、美味しい食事、新しい体験。
しかし、僕のようにアダルトチルドレンの傾向がある人間にとって、こうした「楽しい」という感覚は、時に遠いものに感じられることがあります。
今回はその原因の一つとして僕が強く感じている「感性の鈍化」と、「他者への迎合」の関係について考えてみたいと思います。
感性の鈍化とは何か
感性の鈍化とは、簡単に言えば、自分の感覚や感情が以前よりも鋭敏ではなくなる状態です。
たとえば、以前は映画や音楽で胸が熱くなった瞬間も、今では「まあ、こんなものか」と感じるだけで終わってしまう。
美味しい食事も「美味しい」とは思うけれど、心が踊るほどではない。
小さな喜びが遠く感じられる状態です。
この感性の鈍化は、単に年齢や疲労の影響だけではありません。
僕の場合、それは 他者への迎合を繰り返してきたこと に深く関係していると感じます。
他者への迎合と感性の関係
僕たちは幼少期から、家族や周囲の期待に応えることを学びます。
アダルトチルドレンの傾向が強い人は、特にこの傾向が顕著です。
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「こうあるべき」と言われることに応える
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「怒られたくない」「見捨てられたくない」という気持ちで行動する
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自分の欲求や感覚よりも、他人の期待を優先する
このようにして、他者に合わせることが習慣化すると、次第に 自分自身の感覚に意識を向ける余裕がなくなります。
自分の喜びや興味よりも、他人の評価を優先する生活を続けることで、楽しいという感情が鈍化してしまうのです。
友人との食事で感じる違和感
例えば、僕が友人とレストランに行ったとします。
以前は、新しい料理を頼むとワクワクしていたし、食べて美味しいと思った瞬間に心からの喜びが湧き上がりました。
しかし、今はこう考えてしまうことがあります。
「みんながこれを選んだから、僕も同じものにしよう」
「美味しいと言わなきゃ、失礼かな」
結果として、料理の味や雰囲気を心から楽しむよりも、周囲の目を気にする自分が先行してしまいます。
そのため、感覚が鈍り、楽しいという感情が遠くなるのです。
迎合は孤独回避の手段でもある
ここで重要なのは、迎合そのものが「悪」ではないということです。
迎合は、多くの場合、孤独を避けるための戦略 として機能します。
僕たちは生きていく上で、孤独を避けたいという本能的な欲求を持っています。
迎合することで、人間関係を安定させ、拒絶されるリスクを減らすことができますから、その結果、心理的に安心感を得ることもできるのです。
しかし、この戦略には副作用があります。
それは 自分自身の感性を鈍化させ、楽しいという感覚を感じにくくする というもの。
孤独を避けるために他者に合わせることを続けると、自分の内面の声や喜びに気づけなくなります。
感性の鈍化を回復するためにできること
では、感性を取り戻すためにはどうすればよいのでしょうか。
僕自身が試している方法をいくつか紹介します。
1. 小さな自分の欲求に正直になる
まずは、日常生活の中で 「自分がやりたいこと」 を意識的に選ぶ練習をします。
たとえば、友人との予定を決めるときも、「本当はこれをしたい」という気持ちを優先してみるのです。
小さな選択から始めることで、自分の感覚を取り戻す土壌ができます。
2. 感情を言語化する
感情を言葉にすることも重要です。
「楽しい」「嬉しい」「ワクワクする」といった感情を紙やスマホに書き出すだけでも、感性が少しずつ研ぎ澄まされます。
書き出すことで、他者評価に関係なく自分の内面を認める経験が増え、楽しいという感覚が戻ってきます。
3. 一人の時間を楽しむ
孤独を怖がらず、一人の時間をポジティブに過ごすことも有効です。
例えば、散歩、読書、カフェでの時間など、誰にも迎合せずに自分の感覚を味わう時間を作ります。
最初は違和感があるかもしれませんが、少しずつ自分の感覚に集中できるようになります。
4. 新しい体験を取り入れる
感性の鈍化は、慣れやマンネリも原因となります。
普段と違う体験を取り入れることで、脳が新しい刺激を受け、感覚が蘇ります。
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行ったことのない場所に出かける
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食べたことのない料理を試す
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興味のある分野の勉強を始める
小さな挑戦で構いません。
新しい刺激は、感性を呼び覚ますきっかけになります。
感性を取り戻すプロセスは段階的である
感性を完全に取り戻すには時間がかかります。
なぜなら迎合の習慣や孤独回避のクセは、長年にわたって形成されてきたものだから。
重要なのは、小さな一歩を積み重ねること です。
僕は自分の感性が鈍化していることに気づいたとき、まず小さな喜びや興味を記録することから始めました。
最初は1日の中で「少し楽しい」と感じることを1つだけメモする。
それだけでも、徐々に自分の内面に意識を向けられるようになりました。
他者評価からの自由を手に入れる
最終的には、感性を取り戻すことは、他者評価から自由になること とも密接に関わっています。
他者に迎合しなくても孤独を恐れず、自分の感覚を信じて行動できる状態が、楽しいという感覚を再び味わう土台になります。
僕自身もまだその途中ですが、小さな変化を意識することで、以前よりも感覚が戻り、日常の中に楽しい瞬間が少しずつ増えてきました。
まとめ
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「楽しい」がわからなくなるのは、感性の鈍化が一因である
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感性の鈍化は、他者への迎合や孤独回避の習慣によって引き起こされる
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感性を取り戻すには、自分の欲求に正直になり、感情を言語化し、一人の時間や新しい体験を意識的に取り入れることが有効
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小さな変化を積み重ねることで、楽しい感覚は少しずつ戻ってくる
「楽しい」という感覚は、決して失われたままではありません。
感性を取り戻す努力を少しずつ積み重ねることで、僕たちは自分自身の喜びや興味に再び気づくことができます。
迎合や孤独回避の習慣に気づき、それを少しずつ手放すことで、感情の鮮度を取り戻せるのです。
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