自分の選択に自信が持てず、つい誰かの判断に従ってしまう。
あるいは、責任を取りたくないばかりに、言われたことだけをこなすようになる。
そんなふうに、自分以外の誰かに人生を委ねるような生き方をしていると、やがて苦しくなってきます。
なぜなら、自分で選ばないことは一時の安心にはつながるけれど、それ以上に「自分の本心」を選択に反映できなくなってしまうからです。
僕たちは、自分の望む生き方をすることで、はじめて心地よく人生を進めることができます。
だからこそ、本心に沿った選択を行動に反映させていくことが必要なのです。
そのために大切なのが、「自分の人生の舵を自分で取る」という意識です。
今回は、この「人生の舵を自分で取る」ということについて、お話していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
人生という荒波を越えていく
人生は穏やかな航海ではありません。
荒れ狂う海のように、いつ何が起きるかわからない。
そんな不安定な世界を、僕たちは生きています。
僕たちは、望んだわけでもなく、この世界に生まれ落ちました。
それはまるで、「この荒波の中を進んでいけ」と強制的に船に乗せられたようなものです。
子どもの頃は、親がその船の舵を取ってくれていたから、僕たちは安心して身を任せていられた。
でも、いつしか僕たちは大人になり、自分で操舵しなければならなくなります。
自分で舵を取るということは、どこへでも向かえる自由を得る代わりに、その結果への責任も伴ってくるということ。
進んだ先で座礁するかもしれないし、クラーケンに襲われるかもしれない。
そんなリスクを背負いながら、誰もが不安な中を進んでいかなければならないのです。
でも、これまで舵を取ったことがなければ、それが難しく感じるのも当然です。
だから多くの人が、人生の舵を握らずに、ただ波に流されるように日々を過ごしています。
もしかすると、それこそが、あなたの苦しみの根本原因かもしれません。
「誰かの価値観」で生きていないか
これまで僕たちは、親の言葉に従って生きてきました。
そして社会に出ると、今度は“世間”という大きな存在の声に耳を傾けるようになります。
「大学には行ったほうがいい」
「結婚はしたほうがいい」
そんな言葉に、何の疑問も持たず、自分の進路を決めてきたかもしれません。
でも、それはつまり、他人の価値観に自分の人生の舵を取られてきたということです。
その結果、自分が本当に進みたい方向が分からなくなってしまったのではないでしょうか。
だからこそ、今こそ自分に問い直さなければならないのです。
「自分はどこへ行きたいのか?」
世間が「西の島へ行けば幸せになれる」と言うからといって、自分が望んでいないその島へ向かう必要はありません。
たとえ誰かが「その海域には美味しい魚がいる」と言っても、あなたが魚を好きでないなら、そこへ向かう理由にはならないのです。
自分の人生の航路は、誰かの意見ではなく、自分自身の内側、つまり「心のコンパス」が指し示す方向に従って決めるべきなのです。
自分の声に耳を澄ませる
自分はどうしたいのか?
どこへ向かいたいのか?
その問いを、他の誰でもない「自分自身」に投げかけてみましょう。
そして、たとえその答えが非常識に見えようとも、「普通」から外れていようとも、恐れずに受け取ってください。
みんなが避ける海域に興味があるなら、進んでみればいい。
危険だと噂される島に惹かれるなら、思いきって上陸してみてもいいのです。
もちろん、周りは言うでしょう。
「そっちは危ないよ」
「こっちの島のほうが安全だよ」
でも、その言葉に自分の本心をねじ曲げてしまってはいけないのです。
そうやって周囲の声に従ってばかりいるから、いつまでも自分で人生の舵を取れなくなってしまうのです。
小さな選択から、自分で決めていく
「でも、いきなり人生の進路なんて決められない……」
そう思う人もいるでしょう。
それならば、まずは日常の中の小さな選択から、自分で決める練習をしてみてください。
たとえば
・いつもは親が決めている晩ご飯を、自分で食べたいものを考えて決めてみる。
・仕事で言われたことだけをやるのではなく、「必要だ」と思うことを自分の判断で一つやってみる。
こうした一つひとつの小さな「舵取り」が、やがて自分の人生を大きく変えていきます。
必要なのは、「誰かに従うのではなく、自分で選ぶ」という姿勢。
それはつまり、他人軸ではなく、自分軸で生きるということです。
その一歩を踏み出すことが、あなたの人生の航路を、自分の手に取り戻す最初の行動になるのです。
まとめ
人生という航海を、どこに向かって進めるか。
その決定権は、他の誰にもありません。
あなた自身にしか、握ることはできないのです。
だからこそ、自分の心の声に耳を傾け、その声に従って、人生の舵を取り始めてください。
たとえ迷っても、不安があっても、自分で選んだ道なら納得できる。
それこそが、後悔のない人生をつくるたった一つの方法なのです。