「自分らしく生きたいのに、どうしてもできない」
そんなふうに感じているとしたら、それは、もしかすると「自分を偽って生きている」ことが原因かもしれません。
でも、安心してください。
これはあなただけの悩みではありません。
多くの人が「自分らしく生きたい」と願いながらも、そうできずに、心のどこかで息苦しさを感じています。
実は、自分らしく生きようと無理に努力する前に、まず「自分を偽ることをやめる」方が、結果的に自然体の自分に近づいていけるのです。
今回は、「自分を偽らずに生きること」の大切さについて、一緒に見つめていきましょう。
どうぞ、最後までお付き合いください。
虚像に依存してしまう理由
「自分らしく生きられていない」と感じるとき、多くの場合、それは“虚像の自分”に依存しているサインです。
たとえば、
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本当は断りたいのに、嫌われたくなくて無理に笑って受け入れてしまう。
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自分の弱さを見せたら見捨てられる気がして、強いフリをしてしまう。
そうした行動の背景には、「本当の自分を出したら孤独になるかもしれない」「嫌われるかもしれない」という不安が潜んでいます。
そんな不安があるからこそ、あなたはこれまで「本当の自分を育てる道」ではなく、「偽った自分で立ち回る道」を選んできたのかもしれません。
でも、それは決して間違った選択ではありません。
その時のあなたにとって、それが“生き延びるために必要な方法”だったのです。
けれど、どんなにうまく仮面をかぶっていても、ずっと続けるのは難しいものです。
少しずつ息苦しくなっていくのは、「そろそろ本当の自分で生きてもいいんじゃない?」という、心からのメッセージかもしれません。
本当の自分を取り戻すには
では、どうすれば「虚像」を手放して「本当の自分」に戻れるのでしょうか?
それはまず、「本当の自分を見せるのは、やっぱり怖いよね」と、自分の不安を受け入れてあげることから始まります。
急に仮面を脱ぎ捨てるなんて、とても勇気がいること。
今まで手に入れてきた信頼や評価、それらがすべて崩れてしまうかもしれないという恐れがあるのは当然です。
でも、よく考えてみてください。
それらは「偽った自分」で得たものかもしれないのです。
だから、こう問いかけてみてください。
「私は、自分を偽って得たものに、どれだけ執着しているだろう?」
そして、こう認めてあげてください。
「私は、自分を偽ることで、無理して何かを手に入れてきた」
「でもそれは、本当の私には、本当は必要なかったものかもしれない」
この認識が、あなたを少しずつ自由にしてくれます。
まずは気づくこと。
そこが出発点なのです。
恐れを超えて、手放す勇気をもつ
私たちはみな、「失うこと」に強い恐れを抱いています。
だからこそ、たとえ偽った自分であっても、「何かを得ていたい」「誰かに認められたい」と思ってしまうのです。
けれど、それは本当の意味で自分を満たすことにはなりません。
たとえば、まだ経済的に余裕のない人が無理して高級車を買えば、喜びよりもプレッシャーや不安の方が大きくなるでしょう。
恋愛でも同じです。
偽った自分で始まった関係は、「本当の私を見せたら終わってしまうかも」という不安と常に隣り合わせになります。
だからこそ、大切なのは、こう考えること。
「今の自分にちょうどいいものを、等身大のままで受け取っていく」
そうすることで、背伸びをする必要がなくなり、不安も減っていき、安心していられる時間が、少しずつ増えていくのです。
欠けたままで生きるという選択
人は、どこかで「もっと満たされたい」と思ってしまう生き物です。
「今の自分では足りない」「誰かに満たしてもらいたい」
そう思うのは、ごく自然なことです。
でも、その「埋めようとする欲求」が、私たちを苦しめることもあります。
無理に満たそうとすればするほど、心がすり減ってしまう。
そしてどこかで、「本当の私は愛されない」という思い込みに絡め取られてしまう。
だからこそ、あなたに伝えたいのです。
あなたは、欠けたままで大丈夫。
欠けていても、不完全でも、今のあなたで本当に価値のある存在です。
誰かに認められなくても、あなた自身があなたを認めてあげれば、それで十分なのです。
完璧じゃなくていい。
弱くて、情けなくて、どうしようもない部分があっても、そんなあなたをまるごと抱きしめてあげることが、自由への一歩になるのです。
まとめ
「ありのままの自分で生きる」
それは、とてもシンプルでありながら、大きな勇気を必要とする生き方です。
でも、その先にあるのは、「他人の期待」や「過剰な自己演出」から解放された、本当の意味での自由と安心です。
今日からできることは、ほんの小さなことでかまいません。
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無理に笑わず、正直な表情をしてみる
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「嫌だ」と思った気持ちに、自分だけでも気づいてあげる
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自分に「よく頑張ってるよ」と声をかけてみる
そうした小さな選択の積み重ねが、いつかあなたを“偽らない生き方”へと導いてくれます。
焦らなくて大丈夫。
一歩ずつでいいのです。
あなたが、あなたらしく生きられる日が、少しでも近づきますように。