日常の中で「なんで自分ばかり…」と思ってしまう瞬間は誰しにもあること。
常に動き続ける人間関係や環境に振り回されては、心が疲弊していってしまいますよね。
不公平だ。
どうして自分ばかりがこんな思いをしなければいけないのだ。
心の中に渦巻く苦しみに疲れてきてしまっているとしたら、振り回される自分を手放そうとしてみるのも良いのではないでしょうか。
今回の記事では、そのために必要な考え方を一つシェアしたいと思います。
それが「振り回されているのは本当に環境のせいなのか」という考え方なのです。
よくぞ踏ん張ってきた
まずは今まで、振り回されながらも耐え抜いてきた自分自身に、労いの言葉を贈るところから始めましょう。
人生は常に変化をするもの。
そんな中で、望まぬ形で変化をすることもたくさんあったかと思いますが、それでもあなたはその変化に対応しつつ、ここまで生き抜いてきた。
それは簡単なことではなかったはずです。
苦しい中でも逃げずに働き続けた日々。
人の顔色を伺いながらも人間関係を続けてきた努力。
嫌だなと思いながらも、それを我慢して受け入れてきた過去は、とても苦しいものだと思うのです。
あなたはその苦労を常に積み上げてきた。
そしてそれが今のあなたに繋がっている。
どれだけ価値のあることをしてきたのかということを、まずはあなたが適切に評価をすることが大切なのではないでしょうか。
本当に自分だけなのか
あなたは辛くて苦しい人生を送ってきました。
散々に振り回される人生を歩んできました。
それはもちろん事実だとして、あなただけが振り回されている人生なのかという部分を見つめてみるのも大切なのではないでしょうか。
確かに周りを見れば、みんな伸び伸びと、何も困り事はないかのように人生を謳歌している。
辛い出来事は平等に降り注ぐわけではないかのように見える。
ただ、事実は違うんです。
僕たちは外的影響を平等に受けています。
表には出さなくても、みんな心の中で必死に折り合いをつけながら生きているのかもしれません。
もちろん人によって外的影響の質や強度は違いますが、どれだけ幸せそうな人も、不幸せそうな人も、平等に外的影響を受けた上で、その人生を歩んでいます。
世の中のスターだって上手くいかないこともあるし、ツラいこともある。
その上でスターをしているのです。
つまりは外的影響のあるなしで振り回されているわけではなく、振り回される原因を作っているのは、外的影響に抵抗しているあなたの心なのです。
「振り回されている」の正体
同じ出来事でも、「どう反応するか」で私たちの感じ方はまったく変わります。
ポイントは、その出来事に「抵抗するか」「受け入れるか」。
このたった一つの違いが、「振り回されるか」「舵を握るか」を分ける鍵になります。
僕たちは望ましくない外的影響を嫌だと思うと、それを受け入れたくないと思い抵抗してしまいます。
例えば、仕事でプロジェクトのリーダーに選出されたとします。
あなたは表に立つような人物ではなく、とてもリーダーをやれるような性格ではない。
そんなあなたがリーダーに選出をされると、心の中は「リーダーをやりたくない」という対抗心でいっぱいになります。
この「嫌だ」という対抗心が、振り回されている感覚を生んでいるんですね。
それは、そこに主体性がないから。
外的影響に対して、被害者ポジションに入ってしまうと、どうしても受動的な考え方になってしまいます。
そういった中では、自分の選択を反映していくことができず、振り回されていってしまうのです。
なので必要なのが、抵抗ではなく受け入れるということ。
それは、選ぶ側になるということですし、覚悟を持って腹を括るということでもあります。
受け入れる人は、その影響に対して受け身になることはありません。
外的影響は変えられないということを理解しているから、それに対して自分はどう生きようかという主体性を手放さないのです。
だから、芯がブレずに踏ん張って生きることができているんですね。
受け入れるというのは、我慢することでも、あきらめることでもありません。
それは、「自分がどうしたいか」を取り戻すという、極めて能動的な行為なのです。
どうすれば受け入れる人になれるのか
外的影響を受け入れるにはどうすれば良いのでしょう。
まずは、外的影響を観察しましょう。
何が起きているのかを、事実ベースで感情を混ぜずに捉えることが重要になります。
これをすることで、意識的に事実と感情を切り離し、受け入れやすい状態を作ることができます。
そしたらその次に、自分の反応を知覚します。
それは、外的影響に対して自分がどう感じるのかに意識を向けるということです。
嫌だと思っているのか、どうして嫌なのかを言語化し、言葉で形作ることで、手放しやすくなるのです。
そして、それはコントロール外であることを認め、コントロールすることを諦めます。
外的影響である以上、あなたの力ではコントロールすることはできません。
よって「これは仕方のないことだ」と諦めることで、その対抗心を抑えることができるのです。
最後に、自分でコントロールできることに集中します。
それは、その外的影響に対して自分はどうするかという、外的影響を前提とした前向きな生き方です。
それは主体性、能動性の獲得を意味します。
全ての事情を含めて、自分はどう生きるのか。
抵抗せずに生きるとは、こういうことなのだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「なんで自分ばかり…」という気持ちの裏には、思うようにならない現実への“抵抗”があるのかもしれません。
ですが、現実をそのまま受け入れた先にこそ、「じゃあ自分はどうする?」という能動的な選択が生まれます。
振り回される人生ではなく、自分で舵を握る人生が、そこから始まるのです。
すぐにはうまくいかなくても大丈夫。
少しずつ、自分の内側にある“選ぶ力”を取り戻していきましょう。
あなたの人生の主導権は、いつだってあなた自身の手の中にあるのです。