欠乏感メソッド第一弾。
「どうしてこんなに悩んでしまうんだろう?」
そう思ったことはありませんか?
実は、その“悩みの正体”には共通した原因があります。
今回は、心の奥底にある“本当の苦しみの根っこ”に一緒に触れていきましょう。
どうして、私たちはこんなにも悩むのか?
悩み、不安に駆られ、生きることがツラくなってしまうことにも実は理由があるということを皆さんはご存じでしょうか。
「人間関係がうまくいかない」「将来が不安」「自分に自信がない」
その一つひとつに理由があり、原因があり、背景があります。
けれど、その“もっと奥”を探っていくと、多くの悩みの根っこには、全て共通した原因があるんです。
それが欠乏感。
「欠乏状態が嫌だ」という抵抗心、「欠乏状態になりたくない」という恐怖心が、欠乏感として僕たちの苦しみを生んでいるのです。
欠乏感とは、「満たされない」という感覚
欠乏感とは、心の奥にぽっかりと空いた「足りなさ」の感覚。
それは誰かに愛されたいという気持ちかもしれないし、安心したいという渇望かもしれません。
目には見えないけれど、確かにそこにある“心の空白”が、僕たちを苦しめているのです。
愛情が足りない、安心感が足りない、自己肯定感が足りない。
人によって形はさまざまですが、共通しているのは「満たされていない感覚」であり、この「足りなさ」は、必ずしも現実の問題とは一致しません。
客観的には十分な愛情を受けていても、「自分は愛されていない」と感じる人もいますし、現実的には安定した生活をしていても、「いつか全部失うかもしれない」という不安を抱える人もいます。
つまり、欠乏感は“外側の事実”ではなく、“内側の感じ方”に根ざしているのです。
なぜ欠乏感が悩みを生むのか?
そもそもどうして僕たちは悩むのでしょう?
ここで一旦、そもそも悩みや不安というのは何なのかを考えてみましょう。
悩みとは言い換えると「自身の欲求が満たされない」という現実に対する抵抗心です。
不安とは言い換えると「自身の欲求が満たされないかもしれない」という未来に対する抵抗心です。
ここでいう“抵抗”とは、今の現実を受け入れず、なんとか回避しようとしたり、否定したりする心の動きだと考えてください。
僕たちは本来、自己実現欲求と欠乏欲求という2種類の欲求のどちらかに従って生きているのですが、これが欠乏欲求である場合、その欠乏を避けたいがために心の抵抗が生まれるのです。
軽く解説しておくと、自己実現欲求とは、自分の内なる可能性を発揮しようとする欲求であり、欠乏欲求とは、足りないものを埋めようとする欲求と理解していただければ良いかなと思います。
具体例で考えてみましょう。
あなたが陸上の短距離走の選手だとします。
ただ走ることが楽しくて短距離走をしている人は悩むことも、不安になることもありません。
それは欠乏を避けたいとは感じていないからです。
「どうやったら速く走れるだろう」と疑問を持つことはあるとしても、それを悩みにはしないのです。
ですが、認められたいという欠乏欲求を抱えていると、成績不振に対して強い抵抗を感じ苦しくなります。
それは、成績が良くないと認めてもらえないという思い込みを持っているからです。
また、失敗を避けたいという欠乏欲求を抱えていると、大会本番に対して強い不安を抱くようになります。
それは、失敗をしたら非難される、無価値観を感じるという思い込みを持っているからです。
そしてなにより「認められない現実を避けたい」「非難される未来を避けたい」「無価値観を感じる未来を避けたい」という風に、欠乏状態を受け入れずに抵抗することで、それが悩みとなり不安となるのです。
欠乏状態を「避けよう」とするその心の動きこそが、悩みや不安を作り出している。
だからこそ、悩みや不安を解決するためには、「避ける」ことではなく、「気づくこと」から始める必要があるのです。
悩みから解放されるために、まず必要なのは「気づくこと」
だからこそ、悩みや不安を根本から解決していくためには、「自分が何を欠乏していると感じているのか」に気づくことが最初の一歩になります。
例えばですが、僕は愛されたい欲求が強く、愛情に対する欠乏感を抱えていました。
特にパートナーがいるということに安心感を得ていたため、パートナーに失望されたり、嫌われることを極度に恐れていたのです。
そうなると不満があっても伝えられないし、背伸びした付き合いをしてしまったりと、自分らしく生きることが出来なくなってしまっていて、いつしか苦しくなってしまっていました。
ですが自身の欠乏感と向き合い、それに気づいたことで自然体な付き合いが出来るようになっていったのです。
僕の悩みは、いつしか解消されていました。
何が足りないと感じているのか。
なぜそれが足りないと感じるのか。
それを満たそうとして、どんな行動をしているのか。
こうした問いを通して、自分の心の奥にある“欠乏感”に光を当てていくことが、悩みからの解放への道をひらいていくのです。
まとめ
自分の欠乏感に気づくことは、痛みを伴うかもしれません。
なぜなら人は痛みを感じないために、敢えて見て見ぬフリをしているから。
でも、それはあなた自身を理解し、大切にするためのはじまりです。
焦らず、少しずつ、あなたの心に光を当てていきましょう。